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淫徳のスゝメ
第3章 私が最も華やいだ頃のこと
「だから、私は入会を拒否しているわけ」
まづるさんの抗議的な目が、みゆきさんの背中を睨んだ。
「彼女達は稀な例よ。家族ごっこは一部の会員だけがやっていること」
「ううん、泣かせるまでいたぶって、あんな風に痕が残るかも知れない残虐行為を言ってるの。私、女の子を泣かせるようなセックスは認めない。加虐と被虐は信頼の上で成立するの。相手の精神、美、エロティズムを最大限に引き出すために、いっそ傅く義務なら加虐する人間の方にこそあるべきなんだ。私は私の恋人達の信頼は、蔑ろにしない。苦痛にのまれただけの女体なら、相手が人間である意味はない」
「それではまづる、貴女は人生の楽しみの半分も味わえないわよ。それは貴女がお金で買ってる女にも言えること?」
「そうだね。大怪我までさせない。この間は羽目を外しすぎたかも知れないけど、世の中の罰も苦しみも、全て男が受けていれば良いの。女はいつでも社会を明るめ、知恵や華で潤してきた。破壊をもたらしててきた男だけで、せいぜい罪を贖うべきだわ。男なら殺しても良いと思う。ペニスを咥えたいとは思わなくても、潰してみたいとは思うんだ」
実のところ、ここだけが、私とまづるさんの唯一相容れられないポリシーだ。
私は、美しい女こそ手に入れて、身も心も私だけのものにしてしまいたい傾向がある。
女を美味しいブーケに変えて、彼女の最も美しい部位を嚥下する時、私はたまらない法悦を覚える。だが、男はごめんだ。あんなむさ苦しい生き物の生き血など、一滴だって触れたくない。
「とにかく、さっきのはまだ序の口よ。いまからそんなことでどうするの」
私達は、更に階上へ昇っていった。