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淫徳のスゝメ
第4章 私が天涯孤独になったこと



「はぁっ、んんっ、んん……」


 じゅるっ、ちゅっ、ちゅ…………


 まづるの柔らかな唇が、私をとかす。温かな唾液が私を溺らせ、悩ましいメゾが官能に染み通ってゆく。


 私はまづるの愛撫に乳房を押しつけ、彼女の太ももに指を這わせる。

「まづる……貴女は私の恩人だわ……。今日のこと一生忘れない。有本さんは、格別なお客様だから、今後も交渉は続けてゆくけど……。お父様が怖かった。気持ち悪かった。こんな恥ずかしいことを打ち明けられるのは、まづるだけ。お父様の身体が大嫌い。…………」


 お父様の呻吟も、お兄様の罵詈雑言も、きよらの説教も、私達とは無縁の果てへ遠ざかってゆく。



「ね、見せて……」



 どこに触れても愛おしさばかりが溢れる。私はまづるのブラウスに、指を伸ばした。

 花型の留め具をもてあそびながら、とりわけかたちの良いまろみを撫でる。


「あとでね」

 まづるのキスが、私の指を挑発した。



 下半身を剥き出しにして吊り上げられたお父様を鑑賞しながら、お兄様が煙草を吸っていた。

 まづるは私を離れると、彼から吸い殻を受け取って、お父様のペニスに当てた。


「ぐあああっ」

 煙草の先が、お父様の粘膜を焼く。お父様の生きたディルドが、あるじの叫喚を主張して、いっそう赤く憤る。


 まづるとお兄様の流れ作業は続いた。

 お兄様は煙草を吸ってはまづるに渡し、まづるは煙草を受け取っては、お父様のペニスに灸を施す。



 吸い殻は、みるみる灰皿に二十以上積み上がった。

 お父様のペニスはいっそう醜く変色していた。だが、まづるが握ってやると、未だ白濁を散らす。
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