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淫徳のスゝメ
第5章 私の暗黒時代のこと
「そうだったの、私、人間が偉ぶるために観賞する番組や新聞についてはまるで疎くてね。貴女のお父様がとっくになじられていたのは知らなかったわ。考えてもご覧なさい、無力な人間がニュースを見て、どんな利益を得るというの。せいぜいよくも知らない政治家(たにん)を非難して、社会だの情勢だのをいかに把握しているかを外で喋って偉く見せる、そうした醜態を晒すだけじゃない。彼らは気づかないのかしら、不満をぼやいて無知を蔑ろにする、そうした行為こそ彼らを醜くしていることに。それが彼らの快楽なら、もちろん私は反対しないわ。でもね、私はわざわざそうした知識を得なくても、今まで少しも困らなかった」
「蓮美先生。それで、私とまづるは一生懇ろでいられるの?」
蓮美先生は、やはり女体の間近に落ちたさざれを拾って、私の時と同じようにまづるにさせた。まづるがヴァギナに無色透明の光を散らすと、やはり蓮美先生は、それらを蝋燭の火に透かした。
火を灯した蝋製のヴァギナは、大分、爛れていた。
「あら、随分と先ゆきが明るいわ」
それから蓮美先生は、彼女の中ですこぶる定着したまづるの秀でた処世術が無期限で有効であることを告げ、彼女の狡猾な父親がやがて国内を統一する未来を語った。