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淫徳のスゝメ
第5章 私の暗黒時代のこと



「セレスティーンは、カナダの画家。私達より二つほど歳上という若さで、アメリカで絶大な人気を誇っているわ。ただし、やっぱり固定の買い手がついているだけで、業界での風当たりは冷たいよう……。来月は姫猫も美術館へいらっしゃい。貴女、彼女の作品はきっと好きよ。彼女はね、女の性器だけは立体画で仕上げているの。彼女に描いて欲しいモデルはあとを絶たない、彼女は色んな性器の女を描いているけれど、どれも実在しているそれをデッサンしている。肉の色も襞の数も、黒ずみも…──愛液の溢れ具合もね。面白いのは、下半身は丸出しなのに、頭はレースに覆われていたり、口が花で溢れているところかしら。その肌も、時々ペイントしてあるわ。このことについて、とりわけ有力な考察は、セレスティーンが性(セックス)の信憑性と人間(なかみ)の欺瞞を対照的に描いているというものなの。人間の快楽は人間を裏切らない、だけど唇は嘘をつくし、脳はあるじそのものを騙す。どれだけ美しい人間も、本質はヴェールに包まれている……ってね……」


 ぴちゃっ…………


 脚と脚の間で粘液の弾ける音が立つや、私は声を上げていた。


 律子のいたずらな指先が、私の正直な性器を探って、クリトリスを掠めながら陰毛を遊ぶ。唇からおとがいにかけて、首筋も、脹れた乳首も、私は唾液にまみれていた。


 私はたまらなくなって、律子の乳房に噛みついた。

 甘美な悲鳴が僅かな抗議を含んだのにはとりあわないで、私は律子の片手を内股に挟み込んだまま、みるみる尖るコットンパールをしゃぶり回す。
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