この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫徳のスゝメ
第5章 私の暗黒時代のこと
律子の指が、まもなく私を突き上げた。
私は情欲に飲まれてたわみ、喘ぎ、純朴な肉叢の覆った背中に抱きついた。
律子の指はさんざっぱら私から花蜜を引きずり出すと、今度は舌が私を求めた。
「ああっ……あんっ!」
私の手は、律子の尾てい骨から背骨へ、うなじへ滑る。不可抗力が私を狂わせ、私は律子の頭を抱えた。
庶民のくせに私と同じ、長い黒髪──…堅苦しいスーツをまとう昼間はしかつめらしく結ってあるのに、今は私と全く同じに流してある。
ちゃぷっ、ぴちゃっ、ぴちゃ…………
薄い唇が、私の性器を吸っていた。博学な舌が、私の浅瀬を舐めずっていた。
芸術を愛でる律子が憎い。その分、快楽を疎かにする律子の窪みは、ただ舐めるというだけで、私の浅瀬に波を招く。
「あんっ!ああんっ、ああっ、あああっっ…………」
私は、律子の頭をひときわ強く抱き締めた。
クリトリスから電流が上る。電流は、私の身体をいっそう激しく揺さぶった。
私は律子に爪を立てた。
そして、針を立てた。
「っっ…………」
それから律子が衰弱するまで、たった数秒間だった。
随分と長い一瞬だった。