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淫徳のスゝメ
第6章 私が見た海の向こうの嘲笑のこと
「姫猫に指輪は似合わねぇ。オレら兄妹だぜ。わざわざ永遠を約束しなくても、腐れ縁」
「オオ!ミスター遊!」
「それより一緒の匂いって、ロマンチックじゃね?神父さんもこういうの好きだろ?同じ苗字で、同じ匂い。オレらラブラブだな!姫猫」
お兄様の左手は神父のおとがいを離れるや、私の肩をかき抱いた。
偶像に仕える男は血相を変えている。
列席者らの群れを見ると、紹也さんの親族らを含む高齢者らも戦慄いていた。
「遊さん!指輪をお出しなさい、姫猫さんも!貴方がたは神に永遠の愛を誓った!指輪を交換するのです!」
「神父ちゃん、堅いこと言いっこなしだぜ。オレら客だし、お前だって見てきたろう?誓いがどんだけ薄っぺらいか。お前が神だの人様だのを証人にしてパートナーにしてきた連中も、マジで一生を棒に振り合ってるのはひと握り。神父ちゃんは童貞か?」
「ぐぬっ」
私を花嫁扱いしたまま、お兄様が空いた片手を神父の股間に伸ばした。
「感じちゃった?だよな、お前も人間だ。神とやらは人間に感覚をお与えになった、お前の大好きな神様は、こういうことをすれば自ずとよがる身体にオレらを創造したんだろう?」
伊達に多くの愛人を持っていない。ズボンの上から神父のペニスを器用に捕えたお兄様は、まるでそこに布があるのも失念する手つきだ。
「神父様」
私はお兄様の腕を抜け出して、神父の喉に舌を伸ばした。
てろっ、ちゅ……ちゅる…………
「ふぐっ」
「神父様のペニス、立派に膨らんじゃったわね?公衆の面前よ……。貴方はこういうプレイがお好きなの?」
「ああっ、やめろ……ぐぁっ、はぁぁっ、はぁっ!は!はぁっ、はぁ…………」
「続きは今夜。私達のホテルへいらっしゃい。私とお兄様、紹也さん、神父様とメイドの皆で、楽しいことをしましょうよ」
かくて結婚式は拍手喝采の中で幕を閉じた。
披露宴では改めて私達の初夜に参加したい友人達を募って、海外から取り寄せた女達を私の好物に調理させて振る舞った。
私とお兄様の親代わりにスピーチしたのは丸井だ。唯一、仏野の血縁で親しい祖父母の妹に頼んだところ、彼女はその名誉ある役目を蹴った上、お兄様に罵詈雑言を返したという。