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淫徳のスゝメ
第6章 私が見た海の向こうの嘲笑のこと
ロサンゼルスの観光もひと段落ついて、私と唯子ちゃんは異国人女性らを吟味するようになっていた。
ナイトクラブやレズビアンバーを渡り歩いて、顔を合わせては二言三言を交わす知人も安定し、アメリカ人とのセックスも片手で数えられる程度に至った。
そして、今夜はある風俗店を訪っていた。
夜間営業の外国語教室、講師は在住民を除く世界各国の美少女達で、彼女らの大半の方が学生スタイルを決めている。
下着は外しているようだ。私と唯子ちゃんのテーブルに当たったポリーとゲルニカも、カッターシャツにチェックのスカート、パフスリーブにショートパンツもとい部屋着を着ているが、彼女らの身体と客の手は最低限の障壁に阻まれるだけで、柔らかな触感は確認済みだ。
「女性のお客様は珍しいわ、滅多にご来店にならないのよ」
「日本の女の子は恋人やパートナーがいても、火遊びは別腹なのかしら。お姉さん達の少し前にも、旦那さんと一緒にいらっしゃった方達がいるのよ。小耳に挟んだところ、四人でご結婚されているのだとか。ソファで隠れて見えないわね、あっちのテーブルよ」
「あの辺り、団体さんよね。特に一番お若い奥さんは、奥さんというよりお嬢さん。綺麗で可憐で、あんな方が近くにいたら、グループも明るくなるでしょうね」
「でも、遊んでいただくならまづるさんが良いわ。可愛いお洋服、そういうのお似合いになるって良いわね」
ポリーが二杯目の紅茶を注いで、私に腕を絡めてきた。
ドイツ出身の実業家令嬢は、陶磁で出来たように白く小さな頭をしており、きりりとした目鼻立ち、赤茶の癖毛が上品な華を添えている。渡米以前はさぞ手塩にかけられてきたのだろう、指先は至るところまでなめらかで、その肌は一点の瑕疵もない。