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淫徳のスゝメ
第7章 私がつい経験した蜜月のこと
「姫猫のお気に入り、小指の先くらい大きくなってる。皮剥けてるよ」
「ぁぁ……」
「丸見えの性器、壊れた蛇口みたいだね。私の指、水浸し。下半身くねくねしちゃって、失禁して尻尾振ってる犬みたい……。見て?姫猫のよだれ。貴女の貪欲な方の口から、次から次へと出てくるの」
くちゅ…………
「掃除しよっか。姫猫はこっち。私はこっちを綺麗にしてあげる」
私はまづるの指を咥えて、無味の体液を舐め取った。
まづるは私が嚥下を終えても、口内の愛撫を暫し続けた。すみずみまで揉み込んで、時折、その指先は私の喉をおびやかした。咳がこみ上げる寸でのところで、まづるは私に呼吸を返す。
それから私のクリトリスにキスが落ちた。まづるの舌が私の割れ目を行き来して、愛液を分泌している器官をつつく。
「あんっ!ああっ、あ……あああっっ………」
じゅる……くちゅ……ちゃぷ……じゅる…………
「ひっ……あっ……あん!ああ……」
私達は極めて濃密に交わりながら、とりとめない話もした。
それまで体験した人間達の中で、まづるこそ飛び抜けて劣情を昂らせる対象だった。私がそのことを告白したのが始まりだった。
私はまづるを知りたかった。まづるが関係してきた女達のこと、私の知らないまづるを知る彼女らのこと、私にあって、彼女らにはなかったもの、彼女らにあって私にないもの──…私はそれらを補いたいのか、探究心の根拠を出すつもりはなきにせよ、汗が倍になるほどにはパートナーの回答に傾聴した。
まづるも質問攻めを返した。
私はお父様とのセックスに始まって、稜が私を開花させたこと、有本さんの所有物であった時分のことから、律子と死別するまでをことこまかに打ち明けた。
互いに黙秘していたわけではないが、今夜ほど互いを曝けたのは始めてだった。