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淫徳のスゝメ
第7章 私がつい経験した蜜月のこと



「それから、は……はぁ、まづるの、知ってる通りよ……。あっ……あぁぁ…………お兄様、とは……中学生の頃、から、愛人だったの……」

「ふぅん。私にとって、唯子ちゃんや舞さんみたいな関係なんだ」


 ずぶっ……

 くちゅ…………ぐちゅくちゅ……


 自律の切れた肉体が、シーツにたわむ。

 まづるは私を過不及なく蹂躙しながら、エクスタシーには至らせない。あえて泉門が外されながらも私の蜜がとめどないのは、追懐も補翼しているのだろう。


「でも、……」


 ひくひくひくっ…………

 ちゅ…………

 びくんっ……


 まづるが指を引き抜くや、その唇が肉壺に被さった。

 臀部にまで伝った愛液を舌が舐め取って、さっきと同様、浅瀬がやおら撹拌される。

「あっ……ああ……」

 まづるを探した私の右手が、濡れた指に捕まった。二人の指と指とがじゃれ合って、手のひらと手のひらとが釁隙をなくす。

「まづる、が……一番……」

「性的な意味で?」

「少なく、とも……」

「私も同じ。ただ、……」


 その先の言葉は聞き取れなかった。私自身の絶叫が、そのささめいをかき消したからだ。



 カーテンの隙間が明るんでいた。


 私達は飽きることなく身体を重ねて、飽きることなく口舌を交わした。



 永遠に一緒にいたい。永遠に信頼していたい。味方でいたい。


 私達はこの想いの正体を追求することを避けながら、うわごとのように誓い合っていた。







第7章 私がつい経験した蜜月のこと
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