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淫徳のスゝメ
第8章 私を競った愛達のこと
「いやらしい匂いね、ちさと……。貴女によがれなんて命令した覚えはなくってよ」
「ぁっあんっ」
「確かに私とお兄様は、貴女か実里、どちらか先にイかせた方が相手を従わせられるという賭けをしている。だけどね、私はセックスにおいて従う遊戯は嫌いではないの。だからちさとがイかなくても、私は全く困らないわ」
「あぅん!」
「なのに、なぁに。私、これといったことをしていないわよ」
ぐちゅ……ぴちゃっ、ちゃぷ、ぴちゃ…………
私の呼び水は再び脚と脚の間に至った。
物欲しげな肉壺は、さっきにも増して潅水している。
私はちさとの陰毛を歯と歯で引っ張りながら、舌先で襞をつついた。両手で臀部を撫で回して、腹や乳房もおりふし世話する。
「あっ……あああんっ!あああああっっっ……やめて下さいっ、もう!も──…ああああああーーーーー!!…………」
ぶるぶると悶えた女体はにわかに力むや、途端に萎びた。
今しがたまで悲鳴を上げていたちさとの喉は、スイッチを切ったごとくに沈黙している。
「…………」
二秒ほど遅れて、実里にも脱力が見られた。
鞭跡とは違う血色が白い顆粒層に浮かび出て、お兄様にはより卑屈な笑みが浮かんだ。だが、その傲慢は一瞬だった。
「嘘だろ……」
「私が勝ったわ」
お兄様の、否、男という生物に備わりがちの、浅はかな習性だ。
的確に、烈しく蹂躙してさえいれば、女体は相応の変化をきたすと信じている。
快楽を精神から染み通らせるという手段にまで、想像力が及ばないのだ。
もとよりちさとは私のメイドだ。お兄様が考えなしに彼女らを触ってみたいと所望した時点で、この勝負は決まっていた。
「さぁ、お兄様。二人のロープをといたら貴方は裸になって。ちさと、窓を全開にして頂戴。ちょうど紹也さんが夕涼みに出ている頃ね。実里、三人分のペニスバンドを持っていらっしゃい」