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《愛撫の先に…》
第5章 《リラックスセラピー》
『ゆう…きさん?…』
うなされていた事と、
起こされた事から彼女はぼんやりとした目で彼を見る。

結城は頬から首すじへタオルを当て、
彼女の服のボタンをひとつ外していた。

めくった服の下には華奢な肩のラインと鎖骨、
その先には膨らみにつながる女らしい曲線が彼の視界を充たす。

目を細める彼に彼女は恐怖心をあらわにした。
『嫌っ!』
あたしは夢の続きを見ているの?

『君の汗を拭き取っているだけだ、
俺は君の処女を奪ったが今ここでレイプ等しようとは思わない!』
彼はそう言いながらタオルを鎖骨に押し当てた。


『レイプ…―――』
彼女は言葉にされた3文字を恐怖心あらわに呟いた。『嫌っ!』
菜々美は彼の手を退けようと腕を握るが、
その手は簡単に掴み返されてしまう。

『落ちつけ!
傷つけられ泣く女を無理やり抱く最低な心は持ってはいない!
俺は君をレイプした男なんかじゃない!
今ここに居るのは結城啓輔だ――』

何も考えれないといった菜々美の唇に、
覆い被さるかのように結城の唇がそっと触れる―――――

慰めるかのように触れるだけの唇――
結城は自身を伝えるかのように唇を当てたのだった。
顔にかかる結城の柔らかな金髪がふわりと揺れ菜々美の顔を隠していた。

泣かないで…
俺はレイプ犯じゃない………
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