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《愛撫の先に…》
第5章 《リラックスセラピー》
お昼時、
会社内の食堂を後にした菜々美は陽子に肩を抱かれて化粧室に向かっていた。

『菜々美ちゃん朝からそわそわして様子がおかしいのはなんで〜?』

『なな何もないわよ』

『少しすっきりした顔してるけど昨夜は眠れたんだ?』

『いつもと変わらないわ、乱暴された悪夢をみるだけ…』

『菜々美…
スイートタイムは退屈?
結城さんは気づかってくれない?』

『結城さんは…』

菜々美はそわそわの素となった今朝の結城を思い出す。

※回想※
何かかすかな動作で菜々美はうっすらと目をあけると、結城がベッドから出ようとしていた。

彼の腕に触れながら眠った菜々美の手がシーツに落ちる。

『なんであたし…』
なんであたし結城さんの近くで眠って…?
端に寄っていたはず…
結城さんが引き寄せたの?それともあたしがすり寄って?

『おはよう、
起こしてしまったかな?』
『もう出勤時間?』

『6時、君はまだ寝てるといい』

『もう仕事なんですか?』
『朝食を済ませて7時には仕事を始めていますよ。
気になりますか?』

『ううん』

『少しは眠れたようですね、俺の腕が役にたったみたいで…
フフ…――
無意識からの行動はかわいいですね』

えっ?
あたしって何をしたの?

『泣いている君よりも俺は無防備にすり寄る君がいい』

えぇえ!?
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