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《愛撫の先に…》
第5章 《リラックスセラピー》

……
2008、
結城はバスルームにて菜々美の汚れた体を洗うが、
彼女はすすり泣く度に肩を震えさせる。

浴槽にお湯が溜まり結城は菜々美を促すが、
シャワーの前に立ちつくしたままだった。

ワイシャツとトランクスだけの彼は、
彼女をお姫さま抱っこしたまま浴槽に入りゆっくりと両手を離した。

『…ごめ……結城さんワイシャツが……』
見上げた菜々美の目からまた涙が落ちる。

『シャワーを浴びれば変わりませんよ、
君は気にしないでゆっくり肩まで浸かるといい』
『………ん』

濡れたワイシャツを脱ぐ結城を見つめる菜々美は不安定な心情からか頼りなげだ。

脱衣室には結城が手洗いしたあの下着と赤いバスローブが置かれ、
菜々美はそれらを身につけ脱衣かごの結城の上着を見つめる。

ためらう事なく彼女自身の体を覆ったために、
男達の出したモノが付着してしまっている。
『……ごめ……なさい』

結城さんあなたの忠告を聞いていればこんな事には…

シャワーを浴び青いバスローブを身につけた彼が言う。
『菜々美さんを1人にはしておけない…
君は俺のベッドで眠るんです』

『結城さん……』

『少しずつ癒えていた君の忘れたい過去があの男達によってリアルなものになってしまっているから…――』

『リアル……』

『手足を掴まれ君は暴れたんだろう、
体中に痣が出来ていた…――
おいで―――
怖かったでしょう―――』
結城は両手を広げた。
『おいで―――』
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