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《愛撫の先に…》
第5章 《リラックスセラピー》
両手を広げられた腕に体を強ばらせ後ずさる菜々美、
結城ではなく乱暴した男達の腕を思い出したからだ。
『俺は何もしない、
君を抱きしめるだけの腕でありたい。
君はまた震えながらうなされ嫌な冷や汗をかくの?
助けて――と誰もいない部屋で叫ぶの?
眠れない夜を何日も過ごすつもりですか?』
『………―』
見つめ、見つめられ静まりかえった脱衣室に換気の音がする。
わかっている…
結城さんの言いたい事はわかってる…
結城さんはあたしを助けに来てくれたもの…
だけど理屈じゃなく現実的に体が動かない…
恐怖に捕らわれて…
『俺は嘘はつかない…
傷つけられた君を力づくで犯してしまおうだなんて思わない…』
『力づく…犯す…』
菜々美は彼の言葉を繰り返すが言葉からは、
無理やりからの力づくで犯した男達の卑劣な行為だ。
あたしは汚れてしまった…
男達のアソコを代わる代わる入れられ泣き叫ぶあたしを見て笑っていた…
元彼の高瀬さんでさえ!
全裸にされもがくあたしをオモチャのように…
抑えきれない憎しみと女である無力さに菜々美は、
ふらふらと後ろにさがってく。
『う…』
ジワリと目に涙が溜まり声をあげて泣きそうになる、
唇を噛みしめ我慢する菜々美。
『我慢する君がいじらしい、君は依頼者からの大事なお客様なのに…』
『依頼者…お客様…』
チクン‥
胸がざわめく――。
『泣けばいい、俺の胸で』
結城はそこから動かずに改めて手を広げた。
『おいで、俺は何もしないから』
「彼の目を見ればわかるわ」
彼の視線に陽子の言葉を思い出す。
髪の毛先に近い目はあたしだけを見つめてる…
結城さんはあたしを助けに来てくれた…――
『側にいて…』
『おいで』
『足が震えて動かない…』
『近寄っていいんですね?』
結城は菜々美を腕に抱きしめると髪や背中を撫で始めた。
『泣かない泣かない』
『…結城さんさっきは泣きなさいって…』
『泣くおまじないです』
フフッとうなじ辺りで彼が笑った。
結城ではなく乱暴した男達の腕を思い出したからだ。
『俺は何もしない、
君を抱きしめるだけの腕でありたい。
君はまた震えながらうなされ嫌な冷や汗をかくの?
助けて――と誰もいない部屋で叫ぶの?
眠れない夜を何日も過ごすつもりですか?』
『………―』
見つめ、見つめられ静まりかえった脱衣室に換気の音がする。
わかっている…
結城さんの言いたい事はわかってる…
結城さんはあたしを助けに来てくれたもの…
だけど理屈じゃなく現実的に体が動かない…
恐怖に捕らわれて…
『俺は嘘はつかない…
傷つけられた君を力づくで犯してしまおうだなんて思わない…』
『力づく…犯す…』
菜々美は彼の言葉を繰り返すが言葉からは、
無理やりからの力づくで犯した男達の卑劣な行為だ。
あたしは汚れてしまった…
男達のアソコを代わる代わる入れられ泣き叫ぶあたしを見て笑っていた…
元彼の高瀬さんでさえ!
全裸にされもがくあたしをオモチャのように…
抑えきれない憎しみと女である無力さに菜々美は、
ふらふらと後ろにさがってく。
『う…』
ジワリと目に涙が溜まり声をあげて泣きそうになる、
唇を噛みしめ我慢する菜々美。
『我慢する君がいじらしい、君は依頼者からの大事なお客様なのに…』
『依頼者…お客様…』
チクン‥
胸がざわめく――。
『泣けばいい、俺の胸で』
結城はそこから動かずに改めて手を広げた。
『おいで、俺は何もしないから』
「彼の目を見ればわかるわ」
彼の視線に陽子の言葉を思い出す。
髪の毛先に近い目はあたしだけを見つめてる…
結城さんはあたしを助けに来てくれた…――
『側にいて…』
『おいで』
『足が震えて動かない…』
『近寄っていいんですね?』
結城は菜々美を腕に抱きしめると髪や背中を撫で始めた。
『泣かない泣かない』
『…結城さんさっきは泣きなさいって…』
『泣くおまじないです』
フフッとうなじ辺りで彼が笑った。