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《愛撫の先に…》
第6章 《ぬくもり…》
―――そんな寝不足な夜の為か仕事にも身が入らない菜々美に課長からお呼びがかかる。
怒られるのを覚悟でデスクの前に立つ彼女を課長は呆れた表情で見上げた。
『眠れない事情でも?』
『姉が夜になると電話してきて睡眠の邪魔を…』
『仕事に支障をきたすから家族にも毎晩は控えるように言ったらどうだ?』
『すみません…』
菜々美には姉などいないのであったが、
眠れない理由を言えない為に嘘をついた。
『企画書ダラダラやらないで今日中に頼むよ、
それから先方の中谷専務から連絡がほしいそうだ』
『中谷専務?
仕事でしたらアポイントメントを取らなくては…』
『中谷専務が絡む仕事はこの間終わっているから、
プライベートかもしれないがアサヒコーポレーションの名を汚さないように』
『アサヒコーポレーションの名を汚さないよう…
なんであた…私なんですか?』
『そこまでは詳しくは聞いていない、
企画書に取りかかりたまえ』
怒られなかった菜々美だが、仕事でもないプライベートでの中谷の伝言を気にしていた。
高瀬さんでもなければ、
一度先方に出向いた陽子でもないなんて…――。
いったい何?
そんなモヤモヤに上塗りするかのように昼休み、
相沢が化粧室で自慢する。
『予言ってさ便利よね〜!昨夜スイートタイムに泊まって結城啓輔と寝たの〜!ねぇみんな聞いてる?
陽子も聞いてよ〜っ』
菜々美は逃げるようにポーチにファンデ等を入れ、
ロッカールームへ向かった。
『菜々美!』
陽子が菜々美の手を掴む。
『江崎さんはあたしが気にいらないようだから引き止めないであげたら?』
相沢が陽子に言い放ち声高々に自慢する。
『結城啓輔はキスをしながら仲直りの予言を言ってきたわ。
うーん…息も止まるようなキスでエレベーターエッチもゾクゾクしちゃう〜!
ねぇみんな聞いてる?』
相沢は自慢が目的だったようで声を張り上げた為にロッカールームまで聞こえた。
結城さんなんて嫌いっ!
大嫌いっ!
相沢さんも嫌いっ!
『菜々美も相沢に負けないように結城さんへ連絡したら?
サイトにメッセージ書いて送信するのよ』
追いかけてきた陽子が菜々美を促す。
陽子の携帯画面にはスイートタイム予言サイト書き込み余白ページ欄。
《あなたなんて大嫌いっ!》
菜々美は勢いで送信する…――――。
怒られるのを覚悟でデスクの前に立つ彼女を課長は呆れた表情で見上げた。
『眠れない事情でも?』
『姉が夜になると電話してきて睡眠の邪魔を…』
『仕事に支障をきたすから家族にも毎晩は控えるように言ったらどうだ?』
『すみません…』
菜々美には姉などいないのであったが、
眠れない理由を言えない為に嘘をついた。
『企画書ダラダラやらないで今日中に頼むよ、
それから先方の中谷専務から連絡がほしいそうだ』
『中谷専務?
仕事でしたらアポイントメントを取らなくては…』
『中谷専務が絡む仕事はこの間終わっているから、
プライベートかもしれないがアサヒコーポレーションの名を汚さないように』
『アサヒコーポレーションの名を汚さないよう…
なんであた…私なんですか?』
『そこまでは詳しくは聞いていない、
企画書に取りかかりたまえ』
怒られなかった菜々美だが、仕事でもないプライベートでの中谷の伝言を気にしていた。
高瀬さんでもなければ、
一度先方に出向いた陽子でもないなんて…――。
いったい何?
そんなモヤモヤに上塗りするかのように昼休み、
相沢が化粧室で自慢する。
『予言ってさ便利よね〜!昨夜スイートタイムに泊まって結城啓輔と寝たの〜!ねぇみんな聞いてる?
陽子も聞いてよ〜っ』
菜々美は逃げるようにポーチにファンデ等を入れ、
ロッカールームへ向かった。
『菜々美!』
陽子が菜々美の手を掴む。
『江崎さんはあたしが気にいらないようだから引き止めないであげたら?』
相沢が陽子に言い放ち声高々に自慢する。
『結城啓輔はキスをしながら仲直りの予言を言ってきたわ。
うーん…息も止まるようなキスでエレベーターエッチもゾクゾクしちゃう〜!
ねぇみんな聞いてる?』
相沢は自慢が目的だったようで声を張り上げた為にロッカールームまで聞こえた。
結城さんなんて嫌いっ!
大嫌いっ!
相沢さんも嫌いっ!
『菜々美も相沢に負けないように結城さんへ連絡したら?
サイトにメッセージ書いて送信するのよ』
追いかけてきた陽子が菜々美を促す。
陽子の携帯画面にはスイートタイム予言サイト書き込み余白ページ欄。
《あなたなんて大嫌いっ!》
菜々美は勢いで送信する…――――。