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《愛撫の先に…》
第6章 《ぬくもり…》
車の後部座席のタオルを結城から渡され濡れた衣服を拭いた菜々美。
『上着…』
『ブラウスもすぐには乾かないでしょう、
俺の上着はそのまま着ていなさい』

結城は風邪をひかせてはならないとばかりに駐車場に立ちつくす菜々美を促した。
『送っていこう』
さ迷い歩き場所が特定出来ない菜々美は頭をさげた。
車内、走行中。
『なんで結城さんがあの場所に…?』
『あの交差点から5分歩くとホテル街に繋がります。先ほどまで契約者と寝ていましたから、帰り道です』
『予言…』
チクン‥
先ほどまで契約者と寝ていた…――

『何故タクシーを使って帰らないんです?』

『だって急な雨でみんなタクシーを利用して、
つかまらなくて…だから』
『君は体が冷えきって、
かばった時に震えていた…何故誰かに電話しない?
何故俺の携帯に電話しない?』

『あなたは予言で忙しいとサイトで…』

『あぁ…あなたなんか大嫌い―――
陽子さんの携帯からのメッセージは君だろう。
嫌いなんて言うのは菜々美ちゃんだけだから』
結城は鼻で笑うかのように表情を意地悪くした。
「菜々美ちゃん」
というアクセントが強調されていた。

「彼はナイーブだから嫌わないでやって」
不意に中谷の言葉がよぎり菜々美は小さく言った。

『あたしわがままな女かも…』
あれは嫉妬…
社員や相沢さんがあなたが上手だと騒ぐから…

『嫌いなんて嘘です』
『ん?』
『嫌いなんて嘘…』
『ふぅん…中谷さんに何か言われた?
君が素直だから』

『中谷専務は…』
写真の女の子は?
そして傘をどうしよう…

『傘………』
『もう開かない傘ですか?』

『言わないで…あたしのせい…中谷専務の特別な傘かもしれないのに…』

『3歳の女の子からのプレゼントになる』

あっ…
やっぱり本当に!
大切な!!傘に―――!

涙が菜々美の頬を伝い、
結城はコンビニへと車を停めた。

『泣かないで』
結城は菜々美に顔を近づけ優しく唇を合わせていた。
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