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《愛撫の先に…》
第6章 《ぬくもり…》

……
次の日、
終業後菜々美は陽子の運転で夕食へと向かっていた。
『澤井くんとデートじゃなかったの?』

『今夜家に泊まるから良いのよ、
昨日の結城さんとのデートの続き途中までしか聞いてないし〜』

『デートって…
中谷専務に傘を渡しに』
『知ってる』

『そのままマンションまで送ってもらって9時には部屋に』

『9時って早すぎない?
まさかこんな日にも結城さんは予言?』

『陽子サイト見てるだけあってよく知ってるんだ?
そう…
あたしの約束が後だから予言契約は変更がきかないんだって結城さんが。
だからスイートタイムに帰っていったの』

『結城さんってA型かしら?くそ真面目?
けどそういうとこが彼らしいのかも。
菜々美ちゃん淋しい?』

『何言って…』
ううん…
相沢さんや他の女の人から結城さんの話を聞くだけで嫉妬し始めた頃から答えは出ていたのかもしれない…
昨夜駐車場から車が見えなくなるまで立ちつくしていたあたし、
予言はやらなきゃダメなの?
上手いと評判になるくらい女の人を抱くの?

『菜々美?』
『えっ…?』
『店に着いたんだけど車から降りないの?』
『あっ…』

『結城さんの事を考えていた?』
ニヤニヤする陽子。

『ん…』
『からかうつもりが菜々美ちゃん彼を好きになったんだ、
っていうかあたしは気がついていたけど』
妹をみるような優しい眼差しで陽子は彼女にハグをした。
『今度は泣かない恋かな?』

『陽子ってば…』

話はドリアを食べながら続いていた。
『最近寝られてる?』
『乱暴される夢の後で…ううん』
『何?気になる』

『乱暴される夢の後で目が覚めるけど、
その後で結城さんの事を考えて眠るの』

傘を拾いに飛び出したあたしをかばう結城さんが夢に出てくるの…

「君はなんて無茶苦茶な事を――」
体は結城さんに覆われながらも体重をかけないように、
あたしを押し潰さないように両腕で体を支えて…――
そんな結城さんを思い出すと何故か眠れてる、
結城さんの腕を頼らなくても1人で…―――
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