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《愛撫の先に…》
第7章 《感情のおもむくままに…》
このシチュエーションは?
不意に彼女はラブホでの高瀬が発した言葉を思い出し衣服や体へ向けた手が止まる。

「ただの着替えじゃん」
高瀬のあの言葉が邪魔をするのだ。

『あたしオナニーなんて…』

『まさかオナニーさえもやった事がないと?』

『………初めてなわけじゃないけど』

ドラマや漫画・小説で時々男女のそういうシーンを観たり読んだ後は、
疼く性感帯へ疑似体験的に胸や下半身を触ってはいたのだ。
だが結城に処女を奪われるまではセックス未経験の菜々美には満足のいくオナニーは出来ていなかった。

自信がないのもうなずけるのだ。

『どうしました?
レッスンは止めにしますか?
俺は乱暴されている最中の君を見ているから無理強いはしたくない』

乱暴されている最中を…―!
結城さん…

ううん!
あたし乱暴された夜からの忌まわしい思いだけで終わりたくなんかない!

抱き上げて助けてくれた結城さんの腕の温もりを信じたい!

車からかばうように守ってくれた体を感じたい!

たとえ結城さんに彼女がいてもあたしは、
あなたに抱かれたい!

『他の人とのセックスは怖いの、
だけど結城さんになら…
結城さんが講師なら悪い結果にならない気がするんです』

両手を握りしめ彼の目を見て言った菜々美に、
結城は乱暴から吹っ切れたような彼女の意思を感じ頷いた。

『君の最後のセックスがあの男達のレイプじゃ涙は尽きないからね、
俺は無理強いはしない。
レッスンはオナニーからでしょう』

レッスンはオナニーから…
菜々美は戸惑い気味に胸と股間に手を当てた。

『もう少し足を広げてもらえるかな?』

『それじゃ見えちゃう…』
『何の為のオナニー、
ベッドに座る形では肝心な部分が見えないでしょう』
だけど足を広げると膝丈のワンピースから下着が見えちゃうわ…

『俺が足を広げましょうか?』

結城さん!
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