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《愛撫の先に…》
第7章 《感情のおもむくままに…》

……
………
別の日、ランチ後。
化粧室へ向かっていた菜々美は相沢らとすれ違った。
聞きたくなくても相沢らの会話が耳に入る。


『あの店美味しかったね〜』
『相沢さ、彼と行くつもりでしょ?』
『もちろんよ、
だけどさぁ結城啓輔とも行ってみたい店なのよね〜』

菜々美の足が止まり振り向いた。

結城さんと?
彼と上手くいってるらしいのに?

『結城啓輔?
あの予言の?サイトに何故写真を載せていないの?
相沢もイケメン好きだからかっこいいとは思うけど』
『漫画やドラマに出てきそうなくらい容姿がイケてるのっ!
次の彼探しだと言ってまた寝てみようかしら〜』
『良いの?』
『良いに決まってるわ!
予約さえすれば結城啓輔は寝てくれるけど、
またスイートタイムに押しかけて寝ちゃおっかな〜』
なっ!!?
相沢さんっ!
何勝手な事考えて!

『相沢さん!』
化粧ポーチを握りしめながら叫んでいた菜々美。

『何っ?
最近怒られてばかりの江崎さん睨まないでよ』
相沢が振り向き化粧の濃い口元があがる。

『迷惑だと思うわ!』
『誰に?江崎さんあたしが結城啓輔の事を喋る度に睨んでない?
ひがむくらいなら彼の1人くらい作ったら?』

言い返す前に相沢は江崎の事等知らないとばかりに同僚の腕を掴んで向こうへ歩き出した。

『ちょっ…相沢さん…』

悔しい!
働いた後に結城さんが時間を都合つけて予言しているというのに…――!
あたしスイートタイムに泊まってみてわかったの、
滞在中18時に帰るとフロント業務をしている結城さんを見ているから。

その後での予言やレッスン等で結城さんは休む暇等ないんじゃないかと…

だから相沢さんの言葉にも腹がたって!

あたしのレッスンも負担じゃないの!?
陽子の提案に結城さんは嫌と言わずに!?

結城さんあなたに会いたい!!


終業後、ロッカールーム。『菜々美そのワンピースかわいい』

『デザインが気にいったの』

『結城さんとデート?』
『ううん…』
『そのワンピかわいいからデートなのかと』

『レッスンまでまだ…』
『電話くらい、ね』
『結城さんは予言が…』
『菜々美は相沢くらい押すくらいが良いのよ』

澤井とデートの陽子と別れ菜々美は寄り道をする事にして歩いていた。

向こう側に結城を見かけ心が弾む…―
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