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《愛撫の先に…》
第7章 《感情のおもむくままに…》
『どうして?』
『君のマンション駐車場まで何度か来ていますがそんなにビックリする事ですか?』
『いえ、あの、その』

突然すぎて言葉がうまく出てこない…

『君の様子が変だと陽子さんから連絡をもらって、
だから俺は勤務の合間をみてはメールしていた』

菜々美はバッグから携帯を出し宛名に申し訳なさと嬉しさの感情が入り交じる。
『残業していた時間と帰宅ラッシュで吊革に掴まっていた時…
いつも終業後に携帯を見るのに今日に限って、
ごめんなさい』

翔子さんの事と予言の事を考えていたから何もかも上の空で…
わざわざマンションまで来てくれていたの…
結城さんせつない!

『謝らなくていい、
メール3回・電話1回に君は無視するような女の子ではない事くらい、
わかっているから何かあったのではないかと車を走らせて待っていた。
君が無事なら良いんだ…』

せつない…
愛しい…

抱きしめたい!
あなたの広い背中に腕をまわして抱きしめていいですか?

『菜々美さん?
涙目になる程に俺は責めていませんよ?
――泣くんじゃない』
『無理…』

『泣き虫…菜々美』
『結城さん言葉攻め…泣くななんて…無理…』

『化粧が落ちてしまいますよ?』

『…ん…ひっく…涙止まらない…』

『俺の言葉に泣くなんてかわいいですよ』

結城は彼女が手にしていたバッグとコンビニ袋を持ち、
片方の腕を菜々美の背中にまわし抱きしめた。
菜々美の胸は彼の胸板より下で触れ合い、
胸の膨らみから張った衣服は背中から押される度に結城のスーツへ影をつくる。
『…あぁん…』
『感じたんですか?
涙止まりましたね』
『!?、だって…』

あたしの秋物のニットと結城さんのスーツがこんなにも密着していると思うと…あたし堪らないの…

『…あぅ…』

『人目がある、落ち着きたい』

下半身に感じる彼の物は起ち始めていると菜々美は更に赤くなり、
小さな声で言った。

『あたしの部屋…』
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