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《愛撫の先に…》
第7章 《感情のおもむくままに…》
白と茶色の6階建マンション・303号室。
後ろにいる人物の存在が菜々美を緊張させ鍵さえも上手く入らない。

『こんなに震えてる、
男性を部屋にあげるのは初めてですか?』

結城は菜々美の手の甲をぎゅっと握る。

『わかっているなら聞かないで下さい…手を包むように握られると落ちつかない』
『ふっ――初…
俺は君の全裸を何度も見ているというのに、
たかだか男を部屋にあげるくらいで動揺しますか?』
『ぜ…全裸――』

苦笑しながら結城が鍵を開け菜々美が玄関側の照明をつけリビングへ、
バッグ等ソファーに置かれた矢先の事。

『!!、な…にを?』
菜々美の後ろにいる結城が服の上からブラのホックを器用に外したからだ。

『結城さん…待って…』
『1時間半待ちましたよ』
『そんなに待って…違っ、そういう意味じゃなくて…あのっ』

後ろから薄手のニットをたくしあげられ脱がされるのかと思いきや、
衣服は菜々美の両腕でくしゃくしゃに寄せられる。

『手の自由がきかない』
『服から手はなかなか抜けませんよ、
わざとくしゃくしゃに絡ませました』

『結城さんお願い…せめてシャワーを』

『良い匂いですよ?』
結城は彼女の背中の中心ホック辺りから上に舐めていき、うなじを噛んだ。

『ひゃっ…うぅ…』
肌にあたる外気からなのか、
結城から与えられる舌先からの快感からなのか震える菜々美にはわからなかった。

『かわいいですよ、
震える程に背中も弱いんですね。
後ろからでも君の乳房が揺れて――
わかりますか?』
『具体的過ぎて…』

もはや覆う下着の役目はないまま乳房の半分しか隠していない、
そんな下着の上から結城の両の手のひらがブラの代わりにあてられた。
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