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《愛撫の先に…》
第7章 《感情のおもむくままに…》
『何故また逃げようとする?菜々美さん』
『予言の募集はやめたはずなのに道端でキスをしてるからだわ!
相沢さんはあなたの事をモノとしか思っていないのに!』

後ずさる彼女、歩き距離を縮める彼らはエレベーターの方へ近く寄っていた。

『あれは俺の意思じゃない、君の言う相沢さんがいきなり抱きついてきてキスをしただけだ』

『いきなりのキスも予言を頼まれたら同じだと思うわ、結城さんは予言をやめないから相沢さんみたいに…キスを…』

『あれは俺の意思じゃない!』

せつなくて…
好きな人には相沢さんみたいに向こうから寄ってくる要素を持ち合わせている!あたしだって契約の夜見とれてしまったくらいだもん…
モテないはずはない…
女の人達が放ってほかない…―――

今日みたいな場面をあたしはこれからも見る事になるの?
あたしはその度に逃げるの?
あたし結城さんと特別になりたい…―――!
彼女だという鎖であたしを縛って!
「俺の女だ」と言って!

だけどあなたには式場で見たあの人もいるのよね…
啓輔…――
そうあたしも呼んでみたい…

菜々美がそんな事を考えていた為に気がつくと結城に手をひかれ駐車場に来ていた。

『乗って』
『えっ?』
『ご飯まだなんでしょう?』
『ご飯…』
『君の機嫌をなおすにはオムライスに限るから』
『あたしの機嫌?』

『キスも抱擁も俺の意思じゃない!
だから逃げないでほしい…』
『結城さんあたし乗らない』

俺の意思じゃない――
なんてつらすぎるわ!

『だったら君を抱けばいいのか!?
最後の依頼人が終われば俺は予言をやらないっ!
帰宅した住人が俺達を見ている…
さぁ乗って』

あたしの機嫌をなおすにはオムライスだなんて…
そんなの…結城さんに抱きしめてほしいだけなのに…
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