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《愛撫の先に…》
第4章 《波紋…》
…
……
次の日。
1階で昼食を済ませた菜々美はエレベーターを待っていたが、
後ろを通りすぎる声にハッとする。
『明日?いいよ、6時ね〜…じゃ、よろしくぅ』
高瀬は嬉しそうにそう話し電話をきっていた。
明日6時?
たしかあたしとの約束も同じ…――。
高瀬さん?
ううん…デートとは限らない…
『菜々美…菜々美…』
『あっ陽子…』
化粧室で声をかけられた。
『どうしたの?考え事?
課長は注意だけだったじゃない』
『ん…忘れ物をしないようにって呆れられて』
『お裾分けのパウンドケーキどこのお店かな〜、
めちゃ美味しい』
『パウンドケーキ?』
パウンドケーキ――
「どこのお店かな」って――
店なんてあたしはあの時間にいたもの…
パウンドケーキを食べた午前中あたしは味と一緒に結城さんのキスを思い出したの…
下半身がきゅっと疼いちゃいそうな優しいキス…
あたしの髪に手を差し入れ撫でる動きさえも…
思い出されて…――。
『違う…違うの!』
菜々美は忘れようと否定した。
……
次の日。
1階で昼食を済ませた菜々美はエレベーターを待っていたが、
後ろを通りすぎる声にハッとする。
『明日?いいよ、6時ね〜…じゃ、よろしくぅ』
高瀬は嬉しそうにそう話し電話をきっていた。
明日6時?
たしかあたしとの約束も同じ…――。
高瀬さん?
ううん…デートとは限らない…
『菜々美…菜々美…』
『あっ陽子…』
化粧室で声をかけられた。
『どうしたの?考え事?
課長は注意だけだったじゃない』
『ん…忘れ物をしないようにって呆れられて』
『お裾分けのパウンドケーキどこのお店かな〜、
めちゃ美味しい』
『パウンドケーキ?』
パウンドケーキ――
「どこのお店かな」って――
店なんてあたしはあの時間にいたもの…
パウンドケーキを食べた午前中あたしは味と一緒に結城さんのキスを思い出したの…
下半身がきゅっと疼いちゃいそうな優しいキス…
あたしの髪に手を差し入れ撫でる動きさえも…
思い出されて…――。
『違う…違うの!』
菜々美は忘れようと否定した。