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《愛撫の先に…》
第2章 《交渉成立!?…》
優しくだが確実に結城は彼女の手首を引き寄せ、菜々美は彼の胸板に片手をついた。
『す…すみません』
『あなたがなかなか部屋に入らないから、わざとです』
『わざと?』

彼は彼女の背中に手をあて2人並んで座れる広いソファーをすすめた。
『ワイン?カクテル?それとも…』
菜々美の背丈くらいの冷蔵庫を見ながら彼は言う。

『あたし…どちらも飲めませんっ…』
冷えたワインを持っている彼に慌てて伝える彼女だった。
『ワインを飲んだ唇でキスをしても構わない?
それも酔ってしまうと?』『わ…わからない…』
『ワイン用意していたのに残念ですね』

磨かれた黒いテーブルには同系色の灰皿、赤い表紙のファイルが置かれている。『酔いざましにとウーロン茶を用意していたのですが、まさかこれで乾杯するとは』
『………』
ばかにしてる?この人…

『1階からそろそろディナーが届く頃だ』
『ディナー?』
『契約には空腹ではスタミナ切れになりますからね』スタミナ切れ?
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