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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第3章 其の一ー3・隠れ別荘~里心~
この別荘は画家・文豪それに合わせたように金持ちが多数やって来る・・・そう男女問わず・・・・・
「お茶・・・どうぞ・・・」
「悪いわね・・・」
今日もそう‥文豪達の討論会
その間、こうして別室で寛ぐ女性が1人・・・
「蒼さんも如何?
1人はつまらないわ」
「・・・そうですね‥与謝野先生・・・」
私の分のお茶を淹れて、先生の向かい側の席に腰を下ろす…
「・・・与謝野先生は此から先程の続きを??」
「いえ‥必要ないわ
今日の話題に必要性は感じないもの…
私が書く詩とはかけ離れたものよ」
「そうですか・・・」
のんびりと昼過ぎのティータイム
与謝野先生は詩人、他の先生のように1つの題材で文章を‥小説を作り上げるわけじゃない、あらゆる方向からインスピレーションを受けて詩という短い文章に全てを込める…
「不思議ね、蒼さんと一緒に居るのは不快じゃないわ…
この別荘の他の女性と一緒は不快なのに……」
「いいえ…
私も他の女性達と同じ‥必要であれば男性にこの体を預ける、変わらないんですよ先生」
「でも蒼さんからは知的な感じがするわ、こんな場所では無く外で普通に活躍出来る人だと思うの‥違うかしら??」
「・・・私は‥此処が好きですから…」
感・・・なのだろうか?
私を見て話して違うと思うなんて…
詩は一瞬の閃き、だからこそ感が冴え渡る
その感が私をそう見せているのだろうか??
「・・・それにね…
蒼さんは似てると思うの・・・」
「似てる??」
「ええ……」
先生のお茶を飲む手が止まる
カップをテーブルに置いて私をじっと見て・・・
「少し‥昔話良いかしら?」
「はい・・・」
昔話・・・・・
「子供の頃‥私は京都に居たの、親は小さいながらも店をやって‥ささやかだけど両親に包まれ幸せだったと思うわ」
「・・・・・」
「でもね…両親は店を潰してしまったの、あの混乱期ですもの小さな店なんてお客が無ければ直ぐ潰れてしまう…
あの頃は両親も思い詰めていたのよね、それで私は京都の外れに近い場所で捨てられたの」
「捨てられた・・・」
「もう‥うろ覚えの記憶…
橋の下で置き去りに……
でもね、そんな私を保護してくれた人が居た」
「・・・・・」
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