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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第6章 其の一ー6・隠れ別荘~軍人と医者の目~
「・・・先生、紅茶ですけどお酒入りですよ?」
あれから風呂に入って、今度は和服に着替えまた森先生の元に…
夜という事もあり、紅茶の中にはブランデーが少々…
「これはこれでまた別の味、紅茶1つで幾つも楽しめる」
「本当に先生は紅茶が好きだから……」
「珈琲より紅茶生活が長かったんだよ、欧米は紅茶の方が多い」
「そうなの……」
たわいもない会話をしながら、此から来るお客様を待っている
「・・・でも先生?
お客様って誰なの??」
「予想外の人だ、来るまでは蒼に秘密かな‥吃驚するぞ?」
飲みながら少し心待ちみたいな雰囲気‥どんな人が来るのかしら??
先生と待って1時間くらいした頃か‥廊下が慌ただしい、多分お客様が見えられたのだろう
"・・・コンコン・・・"
「森先生、お客様が参られました…」
「ああ‥入って貰いなさい、さっ早く…」
ガチャっと扉が開かれる‥其処に立っているのは森先生と同じ軍人、帽子を深く被っていて顔は分からないけど…
「良くいらいて下さいました…」
「・・・意外な場所だな、東京の中にこんな場所があるとは知らなかったぞ…」
・・・・・えっ!?
今の・・・声は・・・・・
「物書きや画家が良く集まる場所です、もっぱら討論が主ですが…
後はこの別荘に住んでいる女性達、外とは違い華やかなものです閣下…」
「そのようだな…」
「・・・・・」
後ろを振り向けない‥振り向かなくても誰かなんて直ぐ分かってしまっている…
私は‥どうすれば・・・
「蒼、驚いたかい?
さっ閣下に挨拶をしなさい」
「・・・・・」
恐る恐る後ろを振り向く……
其処に居るのは‥‥山県有朋陸軍大将…
「・・・初めまして‥蒼(あお)と申します…」
山県さんの目がどんどん丸くなる‥分かっている女姿をしていても、知っている山県さんには無意味な事を・・・
「・・・・・蒼(あお)・・・・・」
「・・・・・はい・・・・・」
森先生を挟んでどうしたら良いのだろう…
私の頭の中はその事でいっぱいになった・・・・
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