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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第2章 其の一ー2・隠れ別荘~幽霊と女性~


「大和撫子…
日本人らしい日本人で無ければこの感じは出ない…
まさに夜中に佇む美女か幽霊か、美しい眺めです」

元々座っていた椅子に戻って、ジッと此方を‥私を観察
多分頭の中は、次々怪談の発想が浮かんでいるのだろう

画家にしても文豪にしても、集中し始めたら時も忘れ自分の世界に没頭する‥此処に来る人達は皆そう…


「そのまま床に足を崩して座ってみて下さい」

「・・・・・」

言われた通りに見える足を横にして床に座って、小泉先生の方を見る


「・・・僧侶を誘惑する美女
僧侶は念仏を唱え心を無に…
・・・次の話が直ぐに出来そうです蒼さん!!」

暗闇に輝く小泉先生の日本人とは違う瞳の輝きは水を得た魚のように活き活きと、そして子供のよう…

・・・古い記憶に同じ瞳を見たかも知れない‥それは誰だったか・・・


「・・・無理な事させました」

「いえ・・・」

椅子から私の方に来て、手を差し出してくれる
その手を取って立ち上がって……

「あっ!!」

足が少し痺れて‥よろけた私を小泉先生はしっかりと受け止めてくれて…

「こう‥間近で見ると更に美しい・・・私の心を刺激します…」

「・・・此処はそういう場所だから・・・」

躊躇いなく背伸びして小泉先生の唇にキスをして…

「怖く無いですか?
日本人でない私を見ると女性は怖がる…」

「いいえ‥怖く無いです…
日本人も外国人も皆同じ人だもの……」

「そう言える方は少ないですよ…」

今度は小泉先生からキス…

少し屈んで私の両頬に手を添えて‥向こうの人らしい優しいキス…

逆らわずに瞳を閉じる‥何度も唇が触れ合う‥その内夢中になり舌が絡む、全てを奪い尽くされそうなその舌に…


「ん‥ん‥はぁっ…」

「ちゅっ…蒼さんの唇凄く小さい…もっと舌を出して…
ちゅるっ‥唇も舌も小さくて綺麗…」

「あぁ・・・
小泉先生に全て奪われている感じ…んっちゅるっ・・・」

闇夜に交わる互いの唇‥舌‥

微かに入る光の加減で銀色に輝く互いを繋ぐ糸‥静かなこの部屋でキスし合う水音が大きく聞こえる・・・

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