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贖罪の檻。
第14章 押し寄せる現実

自分のセリフに嘲笑しながら少女に視線を戻す。
「放し、て・・・」
「落ち着け。身体の具合が悪くて動けないだろう?いい子だから水を飲め。本当は、ノドがカラカラで大変だろう?」
「っ、ふ・・・」
言われた通りの自分の状況に絶望して涙が零れた。
「ほら、泣いてないで一口飲むんだ。」
コップを口に付けて傾ける。
「んっ、ぅんん・・・」
人の手のせいか上手く飲み込めない。
「ッ、ケホッ。」
「おいおい、大丈夫か?」
「は、い・・・・・・」
「全く。あいつら食事もロクに食わせてないのか。まぁ、腹も空かない程に精神的に参ってるんだろうがな。」
少女の軽さといい水を飲むのにも時間が掛かる状態を見て心配だった。
「もう、休ませて・・・」
〝逃げ場などない〟と、改めて思い知っただけだった。男になにを訊いても解決などしない。
「診察が済んだら休ませてやる。」
「・・・〝診察〟?」

