この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
贖罪の檻。
第18章 動き出す事件
口に食事を運びながら自分の順応性にため息を付きたくなった。
》 》
独りにされ囚われて流される。
人間は、哀しい生き物で・・・どんなに過酷でも〝順応〟していく。
否定して拒絶してもいつかは、環境に慣れてしまう。それが〝生存本能〟のなだと判っていても精神は、傷だらけになる。
たった1夜で全てが変わってしまった。
《 《
喧騒のから少し離された新緑に囲まれた高層ビルは、まさに順調そのものの企業の今を表していた。
そこは、日本有数のリゾートホテルを経営し最近では海外進出にも成功を収めた乙女グループの本社ビルである。
「会長、お待たせしました。」
秘書は、会長室に入り声を掛けた。
「待ていたぞ。来たのか?」
「はい。連れて来ました。」
秘書は、主の求めるものを今回も漏らさず用意した。