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贖罪の檻。
第20章  闇に抱かれて
  


 しかし逃げ道などない。だからまた、堕ちてしまう。


 《 《


「月良さま・・・では、私はこちらで。」


 シャワーを浴びせ着替えをさせ主に言われるままに車に乗せてとあるビジネスホテルへと少女を送り届けた。


「はい・・・」


「月良さま。お迎えには、私が参ります。それまでの辛抱ですから・・・」


 少女に掛ける言葉が見付からない。

 〝仕事をさせる〟など、主の建前だと思っていた。まさか本当に見ず知らずの者に少女を提供することなど想像だにしていなかった。


「彼方さん・・・お迎え、待ってます。」


 泣きそうなのをグッと堪えて言葉を返す。


「はい、月良さま。行ってらっしゃいませ。」


「行ってきます。」


 小さく言葉を返してホテルに入る。

 ここは、小さいが乙女グループ傘下の格安ビジネスホテル。フロントを素通りしてエレベーターに乗り込む。


  
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