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贖罪の檻。
第20章  闇に抱かれて
  


 最上階を目指す。
 古めかしい年期の入ったエレベーターは、怪しく時折ガコンと大きな音を立てる。

 緊張で身体が強張り震えているのは、自分でも判る。


「頑張れ、月良。」


 エレベーター内の鏡の自分に言い訊かせていると最上階に着きドアが開いた。
 エレベーターを降りると薄暗い狭い廊下に出た。


「え・・・っと。」


 メモを見直して1番奥の部屋へと歩き出す。

 道理に反する行いだと・・・避難するのは、容易い。しかし後ろ盾のないこの身の上には、拒否権など・・・存在し得ない。


 コン コン


「はい。」


「こんばんは、月良と申します。」


 ドア越しに丁寧に名乗る。マニュアルを遂行する。


「やぁ、待っていたよ。中に入って。」


「失礼します。」


 ドアが開かれ小綺麗な主よりは、年上の男が現れた。招かれるままに部屋へと入る。


  
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