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贖罪の檻。
第21章 衝撃の腕<カイナ>
「〝誰に〟提供されたのですか?」
「彼方には、関係ありませんよ。」
「椥さま・・・」
「堕ちないのなら・・・這い上がれないほどの奈落に堕とすまでです。」
「・・・椥、さま。」
主の心中がいままで以上に理解できず戸惑うばかりだった。
「(私しか居ないのだと・・・思い知ればいいのです。私だけが唯一、愛でててくれるのだと・・・。)」
我ながら歪んだ感情だと理解していても行動を後悔もしていなければやめる気もない。
》 》
母は、哀れな人だった。
父に見初められたのに正妻になれず自分を産んだ。
勉学を頑張ったのは、父や周りに認められる為ではない。母が恥ずかしいと思われない為だったし〝愛人の子〟と馬鹿にされたくなかったからだ。
母は、この屋敷で寂しく過ごしていた。
父は、滅多に来なかった。仕事が1番の男には、女に掛ける情けは露ほどもない。