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贖罪の檻。
第25章 かいま見えた光
「うん。さぁ、こっちに。」
返事をする少女の手を取って窓辺のテーブルの席に向かう。
「さぁ、座って。」
少女との心の距離を深く感じながら席に座らせ反対側に自分も座った。
「紅茶は、なにが好き?」
「なんでもいいです。」
「じゃあ、ミルクティーにしようか。」
あっさりと答えを返されてぎこちなくお茶を淹れる。
女の子と打ち解けるのには、かなり慣れているつもりであった。しかし目の前の少女は、取り付く島もない。
「どうぞ。」
「頂きます。」
男の行動の意味が全く理解できない。
〝男〟など出来ればそれ以外求めて来ないものだと思っていた。しかしお茶を淹れて一緒に飲みたいと言う目の前の男を理解出来ない。
「月良、ちゃん・・・」
「呼び捨てで構いませんよ。」
「じゃあ、月良。」
「はい。」