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贖罪の檻。
第25章 かいま見えた光
「月良?」
少女が笑う意味が判らない。
「あなたが、私を逃がしてくれるんですか?」
「あ、あぁ・・・」
小さく答えた。
少女の表情が少し大人びていた。
「どうやって、ですか?私のことをなにも知らないあなたが、どうやって・・・“助けて”くれるんですか?」
本心を向けてくれていたにしても男の言葉にまんまと乗る訳には、いかなかった。巨大な権力に心優しさだけでは、叶わないと理解していた。
「月良を本当の意味では、知らないよ。でも月良を助けたい人を知ってる。」
少女がいかに囚われているのかが言葉でよく判った。
「“私を、助けたい人”・・・?」
「そうだよ。俺は、月良を助けて欲しいってお願いされて今日逢いに来たんだ。」
頑なに疑いを解かない少女に直球でぶつかることにした。
「誰が、そんな・・・お願い、、、」