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第25章 　かいま見えた光

　　


　にわかには信じられない男の言葉にどう返したものかと考えてしまう。


「月良。俺が手助けをするから逃げよう。」


「･･･なにを、言っているんですか？」


　男の言葉に舞い上がる訳には、いかない。昨夜すでに痛い目に遭っていた。


「だから君を助けたいんだよ。」


「どうやって、助けるんですか？私を誰が囚えてると思っているんですか？」


　男の突拍子もない言葉を鵜呑みにすることなく頑なに話しを突っぱねる。


「判ってるよ。でもこっちのボスは、椥より上だぞ。」


「･･･それって。」


「お前を探すのに力を貸してるのは、乙女グループの会長だよ。」


　少女の頑なさにもうネタバレをしない訳には、いかなくなった。


「〝会長〟･･･ですか？」


「そうだよ。だから一緒に来い。」


「･･････兄を助けて、くれるんですか？」