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贖罪の檻。
第31章 それは、救いの手か・・・
「手を出せ。」
「はい・・・」
手の平を差し出すとクスリの錠剤が置かれた。
本当は、全てに疑いを持って行動すべきだったが恐怖と焦りがそれを遮断してしまった。
「ん、・・・・・・」
ゆっくりと水を飲み込んだ。
「よし。クスリを飲ましたし俺は、少し出掛けるいい子で居ろよ・・・って出られないんだから仕方ないよな。」
「行って、下さい・・・・・・」
「はいはい。」
軽く返事をして部屋を出た。
「はい、ええ・・・30分くらいで効くと思いますよ。」
部屋を出てすぐに主に電話を掛ける。
「判りました。奥さまは、昨日からご友人たちとご旅行ですから、月良しか居ません。
ええ、判りました。」
電話を切ってポッケとにしまう。
「月良・・・もう1回、浚わせてくれ。」
ドア越しに呟いた。
結局自分は、雇われの身だ。