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贖罪の檻。
第32章 兄の元へ・・・
「自分のことを守れない人には、頼みません。
せいぜい自分で頑張って下さい。」
苛立つことしかない相手も電話を切った。
「〝頑張れ〟・・・だと?」
電話を切った後一蓮托生だと思っていた人物から冷たく言われて怒りだけに支配される。
「俺を馬鹿にするなよ。」
事務所は、辞めた。そして、全財産は安全な海外口座に移し終えた。
》 》
金持ちというだけで特に努力もしない者たちが上に居るのが許せない。
ここまで来たにも関わらずゴミのようにあっさりと捨てられた。
だから痛い目を見るのだ。
馬鹿にされたまま終わるなんてあり得ない。
《 《
「遅いなぁ~」
用意をしてからしばらく経った。しかし少女の兄がやって来ないだけでなく案内人を任されている兄さえもやって来ないのだ。
「月良。
ちょっと、見に行って電話してくる。」