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贖罪の檻。
第32章 兄の元へ・・・
「有礼さま、急用だと相手方が申されておいでなのですが・・・」
「判りました。いま、開けます。」
壁に掴まりながらドアを開けた。
「よう、月良!」
「っ!!?」
「おっと!!
閉めんじゃねぇ!!」
「っ・・・・・・」
ドアを開けなければよかった・・・など、遅い。そこには、初めての客として逢った乱暴な男が立っていた。
「怖くて震えてんのか?まぁ、いい。
ご主人さまの処へ帰るぞ。」
震えて今にも床にへたり込みそうになっている少女に冷たく言い放つ。
「・・・い、や・・・・・・」
なんとか言えたのは、なににもならない言葉だけ。
「ガタガタ言わないで付いて来い。浚われたくないだろう?」
「っ・・・・・・
(干亜、、、さん・・・)」
一瞬にして囚われていた感覚に身体も思考も支配されて〝拒否〟を忘れてしまった。