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贖罪の檻。
第32章  兄の元へ・・・
  


「さぁ、会長に連絡を。」


「判りました。」


 秘書は、すぐにフロントへと戻って行った。


「本当にすみません。」


「気にしないで下さい。
(月良が帰らなければ困るのは、会長だから。俺には、なんの不利もない。)」


 困り果てている青年に優しく返しながらも考えは、自分に有利になることだけだった。


 》 》


 戻れるハズだった。そうあの時までは・・・


「ほぉ~ら、こっち向け。」


「んー、んん。。。」


 後ろ手に拘束され口も塞がれた状態でスマホを向けられ顔を背けるしか出来ないのがもどかしい。


「ほら、こっちを見ろって。」


「ん゛・・・・・・っ。。。」


 カシャ と無機質な機械音が何度かして姿を撮影されたことが判る。いや・・・相手は、隠す気などないのだろう。


「ご主人さまに送るからなぁ~早く迎えに来てくれるといいな。」


  
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