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贖罪の檻。
第37章 狂宴のかなた
しかしソイツには、“大切なモノ”などないのだ。
《 《
「会長、居場所が判りました。」
裏も表もあらゆる手を尽くしてようやく2人の居場所が判明した。
「そうか。
では・・・お迎えに行こうか。」
「はい、会長。」
「(早く迎えに行って終わらせなければ・・・明莉に騒がれる。)」
秘書に誘導されるままに会社を出て車に乗り込んだ。
忙しくない訳ではない。しかし最優先事項であった。会社が傾けば困るのは、自分だ。
社員への損害やらなんやら・・・そちらの方が割りに合わない。
「警察も到着しているようですね。」
車を停めると死角になる場所に警察車両が数台停まっていた。
「そうか。なら私たちは、月良を迎えに行こうか。」
「しかし・・・」
「構わんよ。
私がきちんと迎えて手当てしてあげなければ。
お前もおいで。」