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贖罪の檻。
第38章 宣戦布告・・・
「ええ。
お気をつけて。」
返事を返しきる前に男は、出て行った。〝欲望〟を捨てず今回のことを期に更なる火種になろうとしていた。
どうにかして月良をもう1度手に入れてアイツを抑えなければならない。そう思っていた。
》 》
〝愛しい〟という感情は、持ち合わせてはいない。しかしプライドだけは、ある。
つまり〝愛〟ではない。
少女に対する気持ちは、〝愛〟ではない。ただ〝所有物〟を奪われたことが腹立たしいだけ。
父親と自分は、なにも変わりがない。それでいい。
変わりたいと思いもしない。
誰にもこの城は、渡しはしない。
《 《
木漏れ日・・・風が頬を撫でる感覚。
遠い昔の感覚のようだけど・・・とても好きな、好きだった感覚。
「月良・・・・・・」
「(・・・・・・だれ?)」
懐かしい訊き覚えのある声。