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贖罪の檻。
第38章 宣戦布告・・・
「嬉しい。」
「よしよし。」
妹の頭を撫でながら違うことを考えていた。
これで全てをリセット出来たと思った。
「月良。」
「なに?」
「早く良くなれ。」
「うん。」
兄の笑顔に励<ハゲ>まされた。
もう暗闇に堕ちない。目覚めると兄がいる。それがどんなに当たり前で嬉しいことか。
》 *
「椥。」
「なんですか、わざわざここまで来て。」
「これで事件は、終わりだ。
これ以上あの兄妹に近付くなよ。」
「わざわざそんなことを言いに来たんですかあなたは。」
「お前が明莉と近付くのは、よくない。」
「あなたに指図される筋合いは、ありません。あんな野心まみれの男を放ってなど置けません。」
事実であった。
いつか継ぐこの城を奪われるなど許せない。いいや、許さない。