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贖罪の檻。
第38章 宣戦布告・・・
「確かに。あの男の野心は、深い。しかし関わりを持たないことも大事だ。」
息子の考えが少しは、理解できた。あの男が犯人でないと思ったのもあの野心故だった。
野心のある者がその野心成就に必要な者の命を奪うなど割に合わないのだ。
「椥。」
「しつこいですよ。」
「アレには、構うな。」
「〝判りました〟・・・と、返事すれば帰ってくれますか?」
父親がネチネチとしつこく同じことを言うので些<イササ>かウンザリであった。
「ああ。そう言って欲しい。」
「判りました。
関わらないように気を付けましょう。」
これでもかなり譲歩したつもりだ。
「くれぐれも頼むぞ。」
「判りました。」
嫌々の返事でも相手は、納得したのだろう執務室を出て行ってくれた。
しかし内心では、なにひとつ納得などしていない。