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第5章 　兄の罪

　　


「･･･すみません。シタことがありません。」


「だから、やり方が判らない･･･と言うことですか？」


　素直な少女の反応に優しく訊き返す。


「はい。」


「そうですか、なら･･･」


「えっ、やぁ！！」


　急に解いたネクタイで手を後ろに縛り上げられた。


「教えて差し上げますよ、月良。」


　素直な態度を向ける少女に満足し軽々とベッド下へ下ろし涼しげな笑顔を向ける。



「（なに、するの？）」


　後ろ手に縛られた緊張と行為の行方が判らず緊張が広がる。


「さぁ、教えてあげますから言った通りにするんですよ。」


「お願い、します。」


　意を決してもうひと言発することにした。


「なんでしょうか。また、口答えですか？」


「っ、それはっ･･･」


　男に見据えられてノドが水分を失いくっついた気がする。


「まぁ･･･いいでしょう。話しなさい。」


　だいたい話しの内容には、判っていた。