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わたしはショートケーキが嫌い
第1章 インターホンを鳴らしたのは、

私もママも同時にインターホンの画面を見た。
インターホンの画面には真っ白なパーカーのフードを深く被った人が映っている。
顔は分からない。けど、危ない人って感じしかしない。
「変な人ね‥‥」
気味悪そうに眉間にシワを寄せながらママがそう言った。
私も気味悪く感じた。
「無視しましょう」
そう言ってママはインターホンの画面から目を逸らした。
私は気になってインターホンの画面を見続けた。
すると、インターホンの画面に映る人がゆっくりと顔を上げた。
ゆっくりと、ゆっくりと。
キラっと飴玉のようにテラテラ光るものが2つ怪しく光った。
その光ったものが目玉と言う事に気づいたのは、インターホンの画面が暗転してからだった。
「美咲、早く食べなさい」
ショートケーキをフォークの上に乗せたまま食べない私にママがキツい口調でそう言って舌打ちをした。
食べたくない。いらない。
けど、食べなきゃいけない。
胃からさっき食べたご飯が逆流しそうになった。
食べなきゃいけない。食べなきゃいけない。食べなきゃいけない。食べなきゃいけない。食べなきゃいけない。
ーーーああ、気持ちいい。
ピンポーン‥‥‥。
背中に蕁麻疹のような鳥肌が沢山出来て震える私は、再び鳴ったインターホンの画面を見た。
ママも私と同じくインターホンの画面を見ていた。
 

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