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わたしはショートケーキが嫌い
第3章 殺人犯とJK
昨晩と同じく吃りながら話す私に男は悟ったらしい。
「僕が怖いんだね」
「こここ、怖くないよ!ちが、違う!」
「怖いんだね?」
ああ、殺される。
そう思ったらどうしようもなく怖くて仕方なかった。
痛いのは嫌。怖いのは嫌。死ぬのはもっと嫌。
これはきっと罰だ。
ママとパパが虐殺されたのに感謝したり、苦しむパパにざまぁみろなんて暴言を吐いたから。
何よりもこの男は悪で間違いないのに、私を助けに来たダークヒーローなんて勘違いしたから。
そんな悪に少しでも心を許した私は、もっと悪だ。
歯と歯がぶつかり合いガチガチ音をたてる。
ブルブルと恐怖で震える私の手から両手を離した男は、立ち上がりキッチンに向かった。
そして包丁を取り出すと私の方へまた戻ってきた。
間違いなく刺殺される。
そう覚悟して強く目を瞑った。