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わたしはショートケーキが嫌い
第3章 殺人犯とJK
「‥‥‥分からないことが多すぎるからあなたが怖い」
「分からなくていい」
「どうして私を知ってるの?どうしてショートケーキの秘密も知ってるの?どうしてそんなに捨て身で私を護るの!?」
「言う気はない。僕はただ美咲ちゃんを助けられればそれでいいんだ」
「あなた私のストーカー?だから何でも知ってるの?」
ヤケだった。
この際勢いに任せて聞いてしまおうと思った。
それにこの男が私を傷つける事は、確率的に低く感じたし。
多少強気な態度を取っても殺されはしないと思った。
じゃなきゃ包丁を私に持たせて刺せとか言わない。
「ストーカー‥‥‥って言われればストーカーかもね」
やっぱり。
「うん!ストーカーだね!そそ!俺ストーカー!美咲ちゃんを監視してたのずーっと!!家に盗聴器とか付けてたし」
呆気無く自分がストーカーだと認めた男に私は唖然とした。
あまりの潔さに言葉を失う。
しかも盗聴器まで仕込んでたとは。
「だから俺は何でも知ってるの。まぁストーカーのつもりはなかったんだけどねぇ」
男はあくびをしてフニャっと笑った。
「まぁ今は殺人犯だけど」
最後にそう付け加えて男は私に背中を向けた。
テレビもラジオもない埃っぽい部屋には、二人の呼吸の音しかなかった。