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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)
「それにしても、みんなミーハーだよね」
慶太が話に花を咲かせるやつらを見ながらそう言いスマホの画面を見せてきた。
スマホの画面には文字がズラリと並んでいる。
その文字を読んでいくと、長谷部の名前が必ず書いてありハッシュタグが付けられていた。
「トレンド一位だよ。長谷部さんってこんなに人気者だったんだね」
毒のある言い方だった。
「あ、バス来た」
慶太はスクールバスが来たことを確認すると、スマホの画面を消して列に並んだ。
俺も慶太の後ろに並びバスのドアが開くのを待った。
きっとクラスは長谷部の話で持ちきりだろうな。
なんならきっと全校集会とかあるんだろうな。
Twitterのトレンド入りするわ、みんなの話のネタにされるわで、本当に長谷部が不憫に思う。
「本当、ひどいやつらだとーーー‥‥」
『思わないか?慶太』、そう言葉を繋ごうとしたけど喉まで来ていた言葉を俺は呑み込んでしまった。
‥‥慶太のスクールバッグの底に何かシミが出来ている。
スクールバッグの持ち手をリュックみたいに両肩に掛けてるからすごくよくシミが見える。
紺色の生地に染み付いているこのシミはなんだ?
シミの正体が気になりよく見てみると、何か小さな塊も付いている。