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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)




スクールバッグの中には、血が固まって刃にベットリとこびりついたハサミが入っていた。
持ち手が黄色い不気味なおぞましいハサミが。

胃から消化しきれていない食べ物が逆流しそうになった。

なんだよこれ。

恐る恐る慶太を見る。
慶太はスヤスヤと気持ちよさそうにバスに揺れながら寝ている。

ドクンドクンと心臓がうるさく音を出す。

俺は汗ばんだ手でスクールバッグのファスナーを閉めた。











放課後の教室。
手首から血を出す慶太と、その血をスカーフで止血している長谷部の姿。

何か話している。
小さな声で何かを。

ーーーそしてあの日から慶太は少し変わった。













長谷部の事件を知った時、こんなにも過剰に嫌がってたのは心のどこかで慶太が関わってるんじゃないかなって思ってたからかもしれない。

相変わらず聞こえてくる周りの話し声からは長谷部の名前が出てきている。

長谷部
長谷部
長谷部
長谷部

この名前を聞くたびに心臓が痛い。
あの血だらけのハサミは一体なんなんだ。


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