 この作品は18歳未満閲覧禁止です
 この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
わたしはショートケーキが嫌い
第7章 グレーテルは知らない

彼に誘拐されてから何日経ったのだろう?
少なくとも二日は経っている気がする。
あのボコボコした汚くて可愛い林檎を食べたのはいつだったかな?
‥‥ママとパパが殺されたのは何日前かしら?
誘拐されてから何度もシャワーを浴びた。
朝昼晩最低でも一日三回はシャワーを浴びている。
なのに取れない。
髪に、手に、体にこびりついた生臭さが取れない。
血の臭いかな?
鉄みたいな、腐臭のような、そんな気持ち悪い臭いがいつまでも体中にこびり付いている。
彼に言っても『そんな臭いはしない』と言う。
どうやら私だけにしかこの臭いはしないらしい。
一日目は仄かに手から鉄みたいな臭いがするだけだった。
けど段々と鉄みたいな臭いが強くなっていき、ついには腐臭のような臭いまで混じってしまった。
体中が臭い。
しかも指先が時々おかしいんだ。
何か、ねっちょりとした気持ち悪い感触に襲われる時がある。
まるで水っぽいスライムに指を入れたような、そんな感触。
実際は何も触っていないのに、何だかねちょねちょする気がして気持ち悪い時がある。
 

 作品検索
 作品検索 しおりをはさむ
 しおりをはさむ 姉妹サイトリンク 開く
 姉妹サイトリンク 開く


